お店に置いてある小さな札に、スマホを「かざす」だけで支払える。JCBが広げている「NFCタグ決済」は、そんな支払い方です。これまではApple PayとGoogle Payだけでしたが、2026年9月に、PayPayやd払いなど8つのコード決済でも支払えるようになると発表されました。
「QRコードを読み取る支払いと、何が違うの?」「どこで見かけるの?」という方に向けて、しくみと使い方、お店のQRコードを「ひとつにまとめる」これまでの流れとの違いを、JCBの発表をもとにまとめました。
この記事は、2026年10月21日に、JCBとキャナルペイメントサービスの発表・各社の公式の案内で確かめた内容です。
この記事の結論
- NFCタグ決済は、お店の札(NFCタグ)にスマホをかざすと、支払いの画面が開くしくみです。アプリを入れなくても、ブラウザで支払いの画面が出ます
- 支払えるのはApple Pay・Google Payと、PayPay・d払い・au PAY・楽天ペイ・メルペイ・AEON Pay・Alipay+・WeChat Payの8つのコード決済です
- お店のQRコードを読み取る支払いと比べると、違うのははじめの「読み取る」が「かざす」になるところだけ。金額は自分で打ちます
- 決済端末がいらないので、スタジアムの売り子さん・移動販売・催事などで使われています。近所のスーパーのレジで見かけることは、いまのところ少なそうです
- お店の端末で読み取るのではなく、スマホの上で支払うしくみなので、財布のクレジットカードは、かざしても使えません
NFCタグ決済とは(先に結論)
NFCタグは、スマホを近づけると中の情報を読み取れる、小さな札です。電源はいりません。JCBのNFCタグ決済では、この札にスマホをかざすと、ブラウザで支払いの画面が開き、スマホの上で支払いまで終わります。
お店にとっては、レジの決済端末を置かなくても、札を1枚置くだけでキャッシュレスに対応できます。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| アプリは必要? | 使える Apple Pay・Google Payならアプリはいりません。コード決済で支払うときは、そのアプリに切り替わります |
| 使える支払い方は? | 使える Apple Pay・Google Payと、PayPayなど8つのコード決済 |
| 財布のクレジットカードは? | つかえない スマホで支払うしくみです。カードはApple Pay・Google Payに入れて使います |
| teppay・Wesmo!は? | つかえない 発表の8つには入っていません |
| 金額は? | 自分で打ちこみます(メニューから選ぶ形もあります) |
| お金はかかる? | かかりません(Apple Pay・Google Pay・コード決済とも) |
| どのカードでも使える? | お店による 使えるカードのブランドはお店ごとに違います |
※JCBとキャナルペイメントサービスの発表(2026年9月9日)と、JCBのNFCタグ決済のページをもとにしています。
支払うときの流れ
お店の札にスマホをかざすと、ブラウザで支払いの画面が開きます。そのあとは、次の流れです。
- 金額を自分で打ちこむ
- お店の人に、金額の画面を見せる
- Apple Payか、「コード決済で購入」を選ぶ
- コード決済のときは、一覧から選ぶと、それぞれのアプリに切り替わって支払う
- 「お支払いが完了しました」の画面を、お店の人に見せる

2つめの画面の例では、Apple Payで支払えるカードとして、JCBとアメリカン・エキスプレスのマークが出ています。JCBの公式の案内では、使えるカードのブランドはお店によって違うとされています。ふだんのカードで支払えるかは、お店の札の表示で確かめると安心です。
お店に置いてある札には、こんな表示があります。使える支払い方のマークも、札に並んでいます。

ふだんのお店では、どの支払い方がお得?
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PayPayなど8つのコード決済にも対応しました
2026年9月9日の発表で、これまでのApple Pay・Google Payに加えて、次の8つのコード決済でも支払えるようになると案内されました。
| コード決済 | ひとこと |
|---|---|
| PayPay・d払い・au PAY・楽天ペイ・メルペイ | ふだんよく使われているコード決済 |
| AEON Pay | イオンのコード決済 |
| Alipay+・WeChat Pay | おもに海外から来た方が使うコード決済 |
この8つは、キャナルペイメントサービス(CPS)という会社のしくみ「PAYTREE」を通してつながります。PAYTREEは、50種類以上のコード決済をまとめて受け付けられる、お店向けの「まとめ役」です。お店はPAYTREEとつながることで、いくつものコード決済を1つの入口で受け付けられます。
一方で、JR東日本のteppayや、JR西日本のWesmo!は、発表の8つには入っていません。この2つは、JCBのもうひとつのしくみ「Smart Code」で使えるコード決済です(Smart Code(スマートコード)とは)。
なお、発表には「いつから使えるか」の日付は書かれていませんでした。お店によって、コード決済まで使えるかどうかは違うと思われるので、札のマークを確かめてください。
お店のQRコードを「ひとつにまとめる」流れの中で
お店のレジに、PayPay用、d払い用…とQRコードの札がいくつも並んでいるのを見たことがあると思います。これを1枚にまとめようとしたのが、2019年に始まった統一QR「JPQR」です。
JPQRは、QRの形はそろったけれど
JPQRは、キャッシュレス推進協議会が決めた、コード決済のQRコードの共通の形です。2019年に総務省の普及の事業が始まり、2020年3月には、お店に貼るQRコード(お店が見せて、お客さんが読み取る形)に、PayPay・d払い・au PAY・楽天ペイ・メルペイなどが加わることが発表されました。
ただ、思ったほどは広がりませんでした。理由として大きいのは、次の2つです。
- そろったのは「QRの形」だけで、使える決済はお店ごとにばらばら:お店はJPQRの1枚を貼っていても、どの決済と契約するかは、それぞれ別に決めていました。同じJPQRの札でも、あるお店ではd払いが使えて、隣のお店では使えない、ということが起きます。お客さんは札を見ても、自分のアプリが使えるかどうか分かりません
- いちばん多く使われているPayPayが、JPQRから離れた:PayPayの案内では、JPQRから申し込んだお店の手数料は2.95%と、PayPayと直接契約したときの1.98%(条件つきで1.60%)より高く決められています。JPQRからPayPayを申し込む受け付けは、2022年4月6日で締め切られました
2025年7月の報道では、JPQRのお店は約15,000店にとどまっているとされています(Impress Watch)。

NFCタグ決済は、まとめ役を通して8つを並べる
NFCタグ決済は、QRの「形」をそろえるのではなく、まとめ役のCPSを通して、いくつものコード決済を1つの画面に並べます。その中に、JPQRから離れたPayPayも入っています。
ただ、JPQRと同じで、かざしてみるまで、自分の支払い方が使えるかは分かりません。お店の札に並んでいるマークを先に見ておくのが、いちばん確かです。
JCBのねらいと、挙げている良さ
JCBは、日本で生まれた国際カードブランドです。カードの会社でありながら、自分たちのカードだけでなく、PayPayなどほかの会社のコード決済まで、1つの入口に並べるしくみを用意したのは、お店とお客さんの使いやすさを先に考えた形だと思います。teppayやWesmo!が使えるSmart Codeも、JCBのしくみです。お店の「支払いの入口」をまとめる取り組みを、形を変えて続けていることが分かります。
NFCタグ決済も、2020年の社内の実験から、2021年の京セラドーム大阪などでの実証、2023年の試行と、少しずつ確かめながら広げてきました。発表やインタビューから、ねらいを整理すると、次の3つです。
決済端末を置けない場所でも、キャッシュレスに
NFCタグは小さく、電源がいりません。そのため、決済端末を持ち歩けない、置けない場所に向いています。JCBは、移動販売や催事場などを挙げています。
いちばん分かりやすいのが、スタジアムの売り子さんです。京セラドーム大阪では、売り子さんが首から札を下げていて、お客さんは席からスマホをかざして支払えます。JCBによると、現金だと28秒かかっていた支払いが15秒で済み、13秒早くなったそうです(ペイメントナビ)。重い端末を持ち歩かなくてよいのも、売り子さんにはうれしいところです。
カメラで読み取るより、かざすほうが楽で確か
QRコードの支払いは、アプリを開いて、カメラの焦点を合わせて読み取ります。NFCタグなら、かざすだけで画面が開きます。暗い場所や、札から少し離れた席でも、読み取りに手間取りにくいのが良いところです。
お店の負担を軽く
お店が置くのは札だけです。取材記事によると、導入や保守の費用はJCBが持ち、お店が支払うのは決済の手数料だけ、という形だそうです(Business Insider Japan、2026年1月)。始めるときの負担を、JCBの側で引き受けている形です。
お店にとっては、端末を買わずに始められるので、これまで現金だけだった小さな売り場やイベントでも、キャッシュレスにしやすくなります。お客さんにとっては、現金を持っていなくても買える場所が増える、ということです。
近くのお店では、何で支払える?
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使ってみると、どう違う?
NFCタグ決済の中身は、ネットのお買い物と同じしくみです。お店の端末でカードを読むのではなく、スマホのブラウザで、ネットで買い物をするときと同じように支払います。お店の前で、ネットのお買い物をしているイメージです。

お店のQRコードを読み取って支払う形と比べると、違うのははじめの「読み取る」が「かざす」になるところだけです。金額を自分で打って、終わったら画面をお店の人に見せる流れは、ほとんど変わりません。
なお、JCBの2021年の実証では、メニューの画面から選んで先に支払う注文の形も試されていました。名古屋の路面バス「SRT」の車内では、チケットやグッズを選んで買う形で試されています。場面によっては、金額を打たずに済むこともありそうです。
気になるところ
- 認証の手間:Apple Pay・Google Payなら、顔や指紋の確認で済みます。コード決済を選んだときは、それぞれのアプリに切り替わるので、アプリのログインなどが入ることがあります
- スマホの電波:自分のスマホの電波で支払うので、人の多いスタジアムなどでつながりにくいと、支払いに時間がかかることがあります。お店にWi-Fiがあると、より安心です
- どこにかざすか:JCBも、Androidはスマホのどこを当てればよいかが機種ごとに違い、分かりにくいことを課題に挙げています。京セラドーム大阪とJCBの案内では、iPhoneはスマホの先のほうをタッチし、Androidは反応しなければ位置や角度を変えて試すように、とされています。ホーム画面を出した状態でかざすのがこつです
よく行くお店で、1年でもどってくる目安は?
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どこで見かける?
2025年11月の時点で、NFCタグの札は約1万か所に置かれているそうです(Business Insider Japan)。これまでに伝えられているおもな場所は、次のとおりです。
| 場所 | 使われ方 |
|---|---|
| 京セラドーム大阪 | 2021年の実証を経て、2024年3月から。売り子さんの札・飲食ワゴンのレジのそば |
| 広島・宮島 | 2024年10月の期間中、観光エリアのいくつものお店にまとめて |
| 愛媛・道後温泉 | 2025年8月から、観光のお客さん向けに |
| 東京・渋谷 | 渋谷区の地域のデジタル通貨「ハチペイ」の支払いの入口のひとつ |
| 名古屋・SRT | 2026年10月2日から、車内でチケットなどを買う形で試行 |
※JCBの発表と報道をもとにしています。それぞれの場所で、コード決済まで使えるようになっているかは確かめられていません。
スタジアム・観光地・イベント・乗り物と、決済端末を置きにくい場所から広がっているのが分かります。スーパーやドラッグストアのレジは、すでに決済端末があるので、近所のお店で見かけることは、いまのところ少なそうです。
近所のお店で何が使えるかは、お店ごとの記事や、お店さがしで調べられます。
ほかのお店の支払い方法を探す
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気をつけたいこと
- 財布のクレジットカードは使えません。カードで支払うときは、Apple PayかGoogle Payに入れておく必要があります
- 使えるカードのブランドは、お店によって違います。発表の画面の例では、JCBとアメリカン・エキスプレスでした。ふだんのカードが使えるかは、お店の札の表示で確かめてください
- iPhoneは7以降で使えます。Androidは、NFCのある機種で、NFCをオンにしておきます
- コード決済まで使えるかは、お店によって違うと思われます。札に並んだマークを見てから、かざすと安心です
- teppay・Wesmo!は、発表の8つに入っていません
これから:スマホの上で支払う場面は、増えていきそうです
NFCタグ決済も、お店のQRコードを読み取る支払いも、お店の決済端末ではなく、お客さんのスマホの上で支払いを済ませるしくみです。お店は端末を置かずに始められるので、こうした支払い方は、これから増えていきそうです。
そうした場面で困らないよう、PayPayなど、よく使われているコード決済をひとつはスマホに入れておくと安心です。クレジットカードをApple Pay・Google Payに入れておく方法もあります。ただ、カードを財布から出して使っている方は、スマホに入れていないことも多いと思います。まずは、ふだん使うコード決済を1つ、が手軽です。
PayPayの始め方は、PayPayとはにまとめています。
ただ、スマホの上で支払うしくみは、スマホが通信できることが前提です。停電や通信障害のときに支払いがどうなるかは、停電でもカードで支払える?欧州で始まるオフライン決済のコラムでまとめています。
入れておくなら、どのコード決済がお得?
よく行くお店から選ぶ、かんたん診断 →
よくある質問
アプリを入れていなくても使えますか?
Apple Pay・Google Payで支払うなら、アプリはいりません。かざすとブラウザで支払いの画面が開きます。コード決済で支払うときは、そのアプリが入っている必要があります。
財布のクレジットカードで支払えますか?
支払えません。NFCタグ決済は、スマホの上で支払うしくみです。カードで支払うときは、Apple PayかGoogle Payにカードを入れて使います。
teppayやWesmo!は使えますか?
2026年9月の発表の8つには入っていません。teppayとWesmo!が使えるお店は、Smart Codeのマークが目印です。
お店のQRコードの支払いと、どちらが便利ですか?
流れはほとんど同じです。かざすほうが、カメラで読み取るより手軽で、読み取りに手間取りにくいのが違いです。
まとめ
- NFCタグ決済は、お店の札にスマホをかざすと、支払いの画面が開くJCBのしくみ
- Apple Pay・Google Payに加えて、PayPayなど8つのコード決済でも支払えるようになった
- QRコードを読み取る支払いと比べると、違うのははじめの「かざす」だけ。金額は自分で打つ
- 決済端末がいらないので、売り子さん・観光地・イベントから広がっている
- 財布のカードは使えない。コード決済をひとつスマホに入れておくと安心
参考にした公式ページ
- JCB・キャナルペイメントサービス「JCBとCPS、NFCタグ決済サービスで8種類のQRコード決済の取扱いを開始」(対象の8つ・しくみ・画面の流れ。2026年9月9日の発表を2026年10月21日に確認)
- キャナルペイメントサービス(PAYTREEのしくみ。2026年10月21日に確認)
- JCB「NFCタグ決済」(使い方・対応するスマホ・カードのブランドはお店ごと・手数料なし。2026年10月21日に確認)
- JCB NFCタグサービス利用規約(PDF。使える決済の一覧。2026年10月21日に確認)
- 京セラドーム大阪「NFCタグを使用したApplePay・GooglePay決済が利用可能に!」(2024年3月29日から・かざし方。2026年10月21日に確認)
- PayPay 加盟店向けヘルプ:決済システム利用料(PayPayとJPQRの手数料。2026年10月21日に確認)
- PayPay 加盟店向けヘルプ:【JPQR】決済システム利用料(JPQRの申し込みの締め切り。2026年10月21日に確認)
- Smart Code公式サイト(JCB)(2026年10月21日に確認)
※2026年10月21日時点の情報です。サービスの内容は変わることがあります。この記事と違っていたら、ひとこと教えてください。


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