関西のスーパーを見て回ると、「万代アプリ」「LaCuCa」「point+plus」など、お店ごとに違う名前のプリペイド式ポイントカードに出会います。レジで「作りますか」と聞かれたことがある方も多いはずです。
結論から言うと、作るかどうかは、その店に通い続けるかで決めるのがいちばんシンプルです。理由を順番に見ていきます。
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お店が自社電子マネーを作る理由
お店の側から見ると、自社電子マネーには分かりやすいメリットがあります。クレジットカードやQRコード決済には数%の手数料がかかりますが、自社のプリペイドカードなら決済手数料がかかりません。(この手数料が売価にどう効いてくるかは、安い店ほど払い方が限られる理由でまとめています)チャージの時点で先にお金を受け取れるという利点もあります。加えて、どの店舗で・何を・いつ買ったかという購買データも自社に蓄積されます。
お店にとって合理的な仕組みだからこそ、多くのスーパーが力を入れて案内しています。ただし、店にとっての得と、読者にとっての得は別物です。現金は店に預けっぱなしになり、その店でしか使えず、還元率がゼロのものもあります。ここから先は、読者の側から見た損得を整理します。
関西スーパーの自社電子マネー、実態はこうなっています
関西の主要スーパー・ドラッグストア49屋号を調べたところ、19屋号が自社の電子マネー・プリペイドカードを持っていました。種類は13種類にのぼります。
| 自社電子マネー | 展開するお店 |
|---|---|
| LaCuCa | ライフ/セントラルスクエア/ビオラル(3業態) |
| WAON | イオン系列など複数の業態にまたがって使えます |
| mandai pay | 万代 |
| point+plus | スーパーナショナルほか(後述) |
| litta | 阪急百貨店・阪神百貨店・イズミヤ・カナート・阪急オアシスなど(H2Oリテイリンググループ) |
| コーピーカード | コープこうべ(生協) |
| HOPマネー | 平和堂 |
WAONのように業態をまたいで使えるものもあれば、LaCuCaのように価格帯の違う複数の業態(ライフ・セントラルスクエア・ビオラル)で共通のものもあります。1枚が思ったより広い範囲をカバーしていることがあります。
実は「共通の裏方」が支えている場合があります
地域スーパーの自社電子マネーは、見た目こそ店ごとに違いますが、裏側の仕組みを共通の会社が提供しているケースがあります。スーパーナショナルの「point+plus」は、ポイントサービス会社レピカが、ブルーチップと協力して地方の大手チェーン向けに提供している仕組みです。食品館アプロもブルーチップと提携しています。万代の「mandai pay」も、その前身をたどると「グリーンスタンプ」に行き着きます。
もうひとつ大きな裏方が、決済ゲートウェイ会社のTMN(トランザクション・メディア・ネットワークス)です。H2Oリテイリンググループの「litta」も、コープこうべの「コーピーカード」も、決済処理の基盤はTMNのクラウド型決済ゲートウェイが担っています。百貨店・スーパー(H2O系)と生協(コープこうべ)という、まったく毛色の違う業態が同じ決済基盤を使っている、というのは意外な事実かもしれません。
お店ごとに違うカードに見えても、根っこの部分は共通のサービスだったりする、というのは覚えておくと面白い視点です。
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主要チェーンの自社電子マネーを詳しく見てみます
「自分の使っているカードがどのタイプか分からない」とならないよう、関西の主要チェーン3つの自社電子マネーを具体的にまとめました。
H2O系「litta(リッタ)」——阪急阪神グループ
阪急百貨店・阪神百貨店・イズミヤ・カナート・阪急オアシスなどで使える電子マネーです。発行はH2Oリテイリンググループのカード会社ペルソナ。S STACIAカード・ペルソナSTACIAカード・阪急阪神プレミアムお客さま会員のいずれかを持っていると、クレジットカードからのチャージもできます(ただしクレジットチャージ分にはSポイントは付きません)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| チャージ | 現金:1,000円単位・上限50,000円/対象カードはクレジットチャージも可 |
| 還元率(提示のみ) | 200円ごとに1P(0.5%) |
| 還元率(litta払い) | 200円ごとに2P(1.0%) |
| ランクボーナス | 前月30,000円以上の利用で上乗せ、最大2.5%まで |
S STACIAカード自体の年会費は永年無料ですが、1年間まったくPiTaPa機能を使わないと1,100円(税込)の維持管理料がかかる点は覚えておきたいところです。
コープこうべ「コーピーカード」
生協のコープこうべが発行する電子マネー機能付きポイントカードです。専用機「コピたん」でチャージします。チャージは現金のほか、J-デビット機能付きのキャッシュカードにも対応していますが、クレジットカードからのチャージはできません。一度チャージすると取り消しはできない点にも注意してください。スマホアプリ版もあり、コープこうべアプリに登録すれば非接触での支払いにも対応します。
平和堂「HOPカード」「HOPマネー」
滋賀を地盤に展開する平和堂の自社カードです。クレジット機能付きの「HOP-VISAカード」と、電子マネー機能のみの「HOPポイントカード」の2種類があります。他の自社電子マネーと違い、チャージはレジ・チャージ機・スマホのどこからでもできるのが特徴で、店内のチャージ機に限定されていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本還元 | 平和堂での買い物、税抜100円ごとに1P |
| ポイントの使い道① | 1,000ポイントごとに現金1,000円へキャッシュバック |
| ポイントの使い道② | 500ポイントごとにHOPマネー500円分へ交換 |
| HOPマネー払いのボーナス | 対象商品で5〜10倍相当のポイント |
基本還元率は他の自社電子マネー(0.5%前後が多い)より高めの1%です。現金へのキャッシュバックという選択肢がある点も、他のお店にはあまり見られない特徴です。
チャージは、たいてい店内でしかできません
調べた自社電子マネーの多く(万代・食品館アプロ・スーパーナショナル・マルアイ・ライフのLaCuCaなど)で共通していたのが、チャージは店内の機械だけという制約です。スマホアプリでポイントカードを持ち歩けるようにしているお店でも、チャージ自体は来店しないとできない、というケースがほとんどでした。
これは、お店にとって理にかなっています
チャージのために来店してもらえるということは、それだけ来店のきっかけが増えるということです。自社電子マネーが「来店動機そのもの」として設計されている、と見ることもできます。
LaCuCa(ライフ)を例にすると、チャージは現金のみ・1,000円単位・上限45,000円です。ポイントは基本200円(税抜)ごとに1P、LaCuCaでの支払いにはさらに300円(税抜)ごとに1Pのボーナスが付きます。使えるのはライフ・セントラルスクエア・ビオラルの各店に限られます。
ライフには自社のクレジットカード(LC JCBカード)もあり、LaCuCaとどちらで払うか迷う方もいるかもしれません。カードのほうの詳しい内容は、こちらの記事にまとめています。
例外:トライアルは実質還元率が高くなります
自社電子マネーの中には、少し毛色の違うものもあります。ディスカウントスーパーのトライアルは、店頭での支払いが現金・自社プリペイド・SU-PAYの3つに絞られている一方、チャージにクレジットカードが使えます。チャージ時0.5%+買い物時0.5%+クレジットカード側の還元を合わせると、実質2.0%前後の還元になる計算です。
「安い店は決済の選択肢が少なく損」という一般的な見方が、必ずしも当てはまらない例です。チャージにクレジットカードが使えるかどうかで、自社電子マネーの評価は大きく変わります。
入れるかどうかの判断基準
自社電子マネーを作るかどうかは、次の2点で考えると判断しやすくなります。
①その店に、これからも通い続けるか
使えるのはその店だけです。引っ越しや生活の変化で行かなくなれば、チャージした残高が使いにくくなります。
②チャージにクレジットカードが使えるか
使えるなら、その分の還元も上乗せされます。現金チャージのみの場合は、還元は自社ポイント分だけです。
作りすぎには注意を
お店ごとに自社電子マネーを作っていくと、残高がお店の数だけ分散してしまいます。生活圏でよく使う1〜2店に絞るのが、管理のしやすさと還元のバランスが取れる目安です。
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まとめ:メインの1店に絞るか、手間をかけて使い分けるか
自社電子マネーは、お店にとっては手数料ゼロ・前受金・顧客データという明確なメリットがあります。読者側から見ると、損得は「その店に通い続けるかどうか」で決まります。
総じて言えるのは、メインで使うスーパーが決まっている方にはそのお店の自社電子マネーが素直にお得だということです。逆に、複数の店を使い分けている方は、無理に1つに絞らず、多少の手間をかけてでもお店ごとに一番お得な電子マネー・カードを持つ、という方針もありです。どちらが正解ということではなく、ご自身の買い物のしかたに合わせて選ぶのがいちばん失敗しません。
・自社電子マネーは、お店側には手数料ゼロ・前受金・顧客データというメリットがあります
・関西49屋号中19屋号が自社電子マネーを持ち、種類は13種類あります
・多くは共通の裏方(レピカ・ブルーチップ・TMNなど)が支えています。litta(H2O系)とコーピーカード(コープこうべ)は、どちらもTMNの決済基盤を使っています
・チャージは店内の機械だけ、という制約が多くのお店で共通しています(平和堂のHOPマネーはレジ・チャージ機・スマホのどこからでもチャージできる例外です)
・チャージにクレジットカードが使えるお店(例:トライアル)は、実質還元率が高くなります
・メインで通う1店があるならその店の自社電子マネー、複数店を使い分けているなら手間をかけて店ごとに最適化する、のどちらかがおすすめです
※記載内容は2026年8月時点の情報です。最新の内容は各社公式サイトでご確認ください。

