業務スーパー、サンディ、ロピア、ルミエール、コスモス薬品、スーパー玉出。関西でおなじみの「安いお店」に共通するのが、使える支払い方法がほかのスーパーより少ないということです。
「不便なお店」と感じる方もいるかもしれません。ですが理由を知ると、少し見え方が変わってきます。
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安いお店の決済一覧
関西のEDLP(Every Day Low Price)系スーパー・ドラッグストア6店の決済対応をまとめました。
| お店 | クレジットカード | QRコード決済 | 電子マネー | 交通系IC |
|---|---|---|---|---|
| 業務スーパー | △(FC店により異なる) | △ | △ | △ |
| サンディ | ○ | ○ | × | × |
| ロピア | × | × | × | × |
| ルミエール | ○ | × | × | × |
| コスモス薬品 | × | △(東京都内5店舗のみPayPay) | × | × |
| スーパー玉出 | △ | ○ | × | × |
並べてみると、はっきりした傾向が見えます。電子マネーと交通系ICは、6店すべてで×か△です。もっとも削られやすいのが、この2つということになります。
「拒否している」のではなく「選んでいる」
決済の種類が少ないのは、お店が現金を求めているからではありません。決済ごとにかかる手数料の違いを見て、選んでいるというのが実態に近いところです。
手がかりになるのが、スーパー玉出がQRコード決済(PayPay・d払い・メルペイ・LINE Pay・au PAY)だけを導入し、クレジットカードや電子マネーをほぼ入れていない点です。2019年の報道で、当時の導入担当者は、PayPay・メルペイとも「期間限定で手数料が無料」だったことを導入理由に挙げていました。メルペイについては「メルカリの売上金がそのまま使える」「利用者の約6割が女性で新しい客層がつかめる」とも説明しています。
つまりこういうことです
玉出は決済を拒んでいたのではなく、無料期間中の手数料の安さを理由にQRコード決済を選んで導入していました。「決済を絞る」というより、「手数料の安いものから入れる」という順番です。
手数料は、実は利益の何割にも相当します
キャッシュレス決済の加盟店手数料は、公正取引委員会の実態調査(2022年4月)によると、単純平均2.70%・加重平均1.66%・中央値2.8%・最頻値3.0%です。業種別では百貨店・総合スーパーが2.25%と、他の小売業(3.09%前後)より低めに設定されています。
この数字を、薄利で知られる食品小売の利益と並べてみると、手数料の重みがわかります。コスモス薬品の決算短信(2026年5月期)によると、売上総利益率20.9%・営業利益率3.9%。1万円の買い物なら、お店に残る利益はおよそ390円です。
| 手数料率 | 1万円の買い物での手数料 | 利益390円に対する割合 |
|---|---|---|
| 最も低い水準(1.61%、売上高1000億円以上の場合) | 161円 | 約4割 |
| 平均的な水準(2.70%) | 270円 | 約7割 |
いちばん安い水準の手数料でも、利益の4割ほどが決済手数料で消えてしまう計算になります。手数料の高い決済を軒並み外す判断には、こうした背景があります。
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ドラッグストアでも同じ法則があります
この法則はスーパーに限りません。コスモス薬品は公式に「特売もポイントカードもありませんが、同じ価格で『毎日安い!』を追求しています」と説明しており、支払い方法は原則現金のみ(例外は東京都内5店舗のPayPayのみ)です。理由として「キャッシュレス決済手数料(売上の約1〜3%)をカットして低価格を維持」と、機序まで明記されています。
安さで勝負するお店は、業態を問わず同じ判断にたどり着きやすい、ということのようです。
備え方:安い店の日は現金を用意する
安いお店に行く予定がある日は、あらかじめ現金を用意しておくと、レジで慌てずに済みます。とくにロピアやコスモス薬品のように選択肢が少ないお店では、現金以外の当てにしすぎない方が安心です。
とはいえ、これらのお店の魅力は、価格や品揃えそのものにあります。決済の選択肢だけを理由に足が遠のくのはもったいない話です。お店の決済方針に自分の払い方を合わせにいくくらいの感覚でいると、値段の良さをそのまま受け取れます。
「電子マネーだけ全滅」の理由は、公式に説明されていません
各社とも電子マネーや交通系ICを外している理由そのものは公表していません。この記事で書いた「手数料の安さで選んでいる」という見立ては、玉出の証言とコスモス薬品の公式説明から導いたもので、断定はできません。参考としてご覧ください。
実質価格で考えてみる
還元率1%のカードや決済を使っている場合、1万円の買い物での還元は100円です。安いお店とポイント還元のあるお店との価格差が100円未満なら、還元込みで考えると安いお店の方が実質的にお得、という場合もあります。「ポイントが付かないから損」と決めつけず、価格差と還元額を並べて考えてみるとよさそうです。
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まとめ:決済に合わせるより、暮らし方に合わせて選ぶ
業務スーパー・サンディ・ロピア・ルミエール・コスモス薬品・スーパー玉出。関西の安いお店を並べると、電子マネーと交通系ICが軒並み使えないという共通点が見えてきます。理由は「不便だから」ではなく、決済手数料が薄い利益を大きく削ってしまうためのようです。
これらのお店は、価格や商品ラインナップという点で読者にとっても魅力的です。決済の選択肢が少ないことを弱点として片付けるのではなく、ご自身のキャッシュレス方針・ライフスタイルに合わせて、できる範囲でフィッティングしていくのがいちばん現実的な向き合い方だと思います。現金を1枚多めに持つ、対応しているQR決済だけそのお店用に覚えておく、といった小さな調整で十分です。
・EDLP系のお店6店すべてで、電子マネーと交通系ICはほぼ使えません
・決済手数料は加盟店の利益の4〜7割ほどに相当する水準です(公正取引委員会調査・コスモス薬品決算短信より)
・「拒否」ではなく「手数料の安いものから選んでいる」というのが実態に近いようです
・同じ法則はドラッグストア(コスモス薬品)でも成立しています
・価格や品揃えの魅力はそのままなので、決済のほうを暮らし方に合わせて調整するのがおすすめです
※記載内容は2026年8月時点の情報です。決済対応は変わることがあるため、最新の内容は各店舗でご確認ください。

